美しい歯並びと健康な噛み合わせを
生まれつき歯並びが整っている方にとっては意識しづらいかもしれませんが、実際には多くの方に多少の歯並びの乱れがあります。 芸能人などが笑った際に見える美しい歯並びに憧れて、一度は矯正治療を考えたことがある方も少なくないでしょう。
歯並びを整える方法としてまず思い浮かぶのが、矯正治療です。しかしながら、「矯正治療を受けてみたい」と思っても、分からないことが多く、不安を感じている方も多いはずです。
歯並びが乱れる理由
そもそも、歯並びが整っている方とそうでない方がいるのはなぜでしょうか。歯の並び方には、幼児期の口腔内の発育環境が大きく関係しているといわれています。特に、顎の発育不全や生活習慣における悪癖が大きな要因とされており、これらが歯列に影響を与えます。
歯の成長プロセスは複雑で、最初に歯の頭が形成され、その後に歯の根が作られ、最終的な位置が決まります。 乳歯から永久歯に生え変わる過程で、適切な咬合が確立されていくのですが、歯の頭が並ぶスペースが不足していると、ガタつきが生じ、そのまま永久歯に引き継がれてしまいます。人間は機械ではありませんから、あごの発育状況によって歯並びに個人差が生まれてしまうのは仕方がないことと言えます。
矯正治療とは
歯はもともと、ある程度の位置に自然と噛み合うように生えてくるものですが、完全に整った歯並びになるとは限りません。そこで行うのが「矯正治療」です。矯正治療とは、人間が本来持っている骨の新陳代謝(生理現象)を利用して歯を動かす治療です。具体的には、歯が生えている「歯槽骨」と呼ばれる顎の骨に力を加えることで、その力がかかった部分の骨がゆっくりと吸収されていきます。一方で、力と反対側には歯と骨の間にスペースができ、そのスペースに新しい骨が再生されるという仕組みです(これを「リモデリング」と呼びます)。
このように、骨の吸収と再生を繰り返しながら歯を目的の位置へ少しずつ移動させていくのが矯正治療の原理です。
矯正後に重要な「保定期間」
歯を移動させる期間が矯正治療のすべてと思われがちですが、実はその後に必要となる「保定(ほてい)」という期間も極めて重要です。歯の位置が整ったとしても、その土台となる骨はまだ安定しておらず、放置すると歯が元の位置に戻ってしまう(後戻りする)可能性があります。そこで、保定装置を使って歯の位置を固定する期間が必要になります。
保定には以下のような方法があります
- ワイヤーによる保定(固定式)
- マウスピースによる保定(取り外し式)
保定期間は一般的に2年程度とされています。マウスピース保定の場合は、就寝時は必ず装着し、可能であれば日中も長時間使用することが推奨されます。これを怠ると、せっかく整えた歯並びが元に戻ってしまうリスクが高くなります。
矯正治療に時間がかかる理由
矯正治療が数年単位の治療となる理由は、歯を動かす期間に加えて保定期間が必要不可欠だからです。美しい歯並びと健康な噛み合わせを安定的に維持するためには、治療の完了後までしっかりとサポートを続ける必要があります。
矯正治療の流れ
STEP 01.
初診・カウンセリング
患者さまのご希望を伺い、口腔内の状態をチェックします。矯正の種類や期間、費用についても丁寧にご説明します。
STEP 02.
精密検査
レントゲンや口腔内スキャンを行い、歯並びや顎の状態を詳しく分析します。
STEP 03.
治療計画の立案
検査結果をもとに、最適な治療計画をご提案します。患者さまと相談しながら、治療方法や期間を決定します。
STEP 04.
矯正装置の装着
選択した矯正装置を装着し、治療を開始します。定期的に通院し、調整を行います。
STEP 05.
保定期間(リテーナーの装着)
矯正が完了した後は、後戻りを防ぐために保定装置(リテーナー)を装着します。
矯正治療中の注意点
- 矯正装置のケアをしっかり行う(ワイヤー矯正の場合、食べ物が詰まりやすいため、丁寧な歯磨きが必要)
- マウスピース矯正は装着時間を守る(1日20時間以上の装着が必要)
- 硬い食べ物に注意する(装置が壊れるのを防ぐため)
- 定期的な調整を怠らない(適切な力で歯を動かすため、通院が必要)
矯正治療をお考えの方へ
矯正治療は、見た目だけでなく、噛み合わせや口腔の健康にも大きなメリットがあります。
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歯並びをキレイにしたい
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矯正をしたいけど目立つのは嫌
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歯並びが原因で口の中をよく噛んでしまう
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顎が疲れやすい、痛みがある
このようなお悩みがある方は、ぜひ当院へご相談ください。